基本的なLive StreamCast設定では、最大限の表示パフォーマンスをクライアントに提供する単一のビットレートを決定する必要があります。つまり、メディア品質とクライアントのCPUおよび帯域に関する制約との間のバランスをとる必要があるということです。一方、ライブイベントにダイナミックストリーミングを使用するようにメディアプレイヤーを設定すると、帯域に制約のあるユーザーの表示パフォーマンスを低下せることなく、ハイエンドユーザーの満足する高品質メディアを提供することができます。そのためには、1つのライブイベントに対して複数のストリームを提供します。それぞれのストリームには、品質の程度が異なるビデオが含まれます。メディアプレイヤーは、それぞれのユーザーに最も適したストリームを選択することができます。一般的には、ユーザーの帯域およびCPU使用率を使って、このストリーム選択を行います。
注:Flashプレイヤーがマルチビットレートストリームをサポートしているかどうか、また要求されるストリーム品質を決定するのに用いる基準は、そのプレイヤーのメーカーによって異なります。
マルチビットレートLive StreamCastは、基本的なLive StreamCastと同じように設定することができます。設定上の大きな違いを以下に示します。
ヒント:これ以外の設定上の違いとして、ストリームに対して生成されるキーフレームの数を増やすことが挙げられます。キーフレームは、いつFlashプレイヤーが異なる品質のストリームに切り替えられるかを決定するうえで重要な要素となります。キーフレーム間隔が狭い場合 (2秒から4秒など)、プレイヤーはビデオをバッファーしなくなる傾向があり、または再生不良の影響を受けなくなる傾向にあります。
注:一度ダイナミックストリーミングを設定したら、あとはライブイベントのエンコードを開始するだけです。Flashプレイヤーが適切なビットレートストリームを自動的にリクエストし、ネットワーク条件の変化に応じてビットレートレベルを調整します。
マルチビットレートLive StreamCastを設定するうえで最も重要なステップは、クライアントに対して利用を許可するストリームの数および品質を決定することです。ビットレート品質の選択方法に関する一般的なガイドラインを以下に示します。
注:1つのイベントで生成できるビットレートストリームの数は、エンコーダーによって制限を受ける点に留意してください。
ビットレートストリームを生成するようにエンコーダーを設定する場合は、希望するビットレートおよびビデオの解像度または出力サイズを選択する必要があります。これを達成するために必要なステップは、エンコーダーによって異なります。詳細については、エンコーダーに付属の文書を参照してください。
注:Adobe Flashライブエンコーダー 3.1以上には、最大3つのビットレートストリームを作成する能力があります。ただし、ビットレート設定の左に表示されるチェックボックスをオンにして、希望するそれぞれのビットレートストリームを有効にする必要があります。
クライアントが利用できるビットレートの品質を選択した後に、それぞれのビットレートに対してストリームを生成するように、エンコーダーを設定する必要があります。そのためには、ストリーム名に変数を使用するか、希望するそれぞれのビットレートストリームに対して名前を指定します。これを実施するのに必要なステップは、エンコーダーによって異なります。詳細については、エンコーダーに付属の文書を参照してください。
Adobe Flashライブエンコーダー 3.1以上を使用している場合は、以下のいずれかを行って複数のストリーム名を指定できます。
注:上記の手順で定義するストリーム名がマルチビットレート設定ファイルのリストになければならない点にご注意ください。
それぞれのビットレートストリームに割り当てる名前を決めたら、マルチビットレート設定ファイルを作成する準備が整いました。このファイルでは、ライブストリームを公開するロケーションおよびそれぞれのビットレートストリームの名前を定義します。
SMIL準拠のプレイヤーでマルチビットレート設定ファイルを作成する方法について見る (JW Player 6など)
最後のステップとして、Flashプレイヤーをストリームではなくマルチビットレート設定ファイルにポイントしてください。SMIL準拠のプレイヤーを使用する場合は、SMIL準拠のマルチビットレート設定ファイルにポイントする必要があります。
JW Player 6の実装方法について
注:その他のSMIL準拠プレイヤーを設定する方法に関する情報については、そのプレイヤーのメーカーが提供する文書を参照してください。